ブッポウソウの越冬地はどこ?

天龍村の村鳥「ブッポウソウ」に関し、山階鳥類研究所(千葉県)が3年ほど前から越冬地の調査研究を行っています。内容はブッポウソウ(成鳥)の背中に通称「ロガー」と呼ばれるGPS機能内蔵の記録装置を付け、1年間どのようなルートをたどって、どこへ行っているのかを研究するものです。同じような調査研究は西日本では、盛んに行われてきたようですが、東日本に営巣するブッポウソウでは、今回が初めてだそうです。
今月15日、山階鳥類研究所の仲村研究員が来村され、ロガーをつけたブッポウソウの捕獲に成功しました。ロガーは昨年6月15日に取り付けたもので、早速、その内容をパソコンを使って調べたところ、9月13日に天龍村を飛び立ったことがわかりました。これまで、巣立った後はなかなか姿を見ることができなかったので、私たちは7月終わりから8月にかけて天龍村を離れているのだろうと思っておりましたのが、越冬直前まで天龍村にいることがわかり驚きました。
その後、9月14日には、徳島県鳴門市に(1日300~400キロ飛んだことになります。)、翌15日には熊本県、その後、済州島上空を通過しながら中国を経由し10月23日にはカンボジアに行っていることがわかりました。残念ながら、電池切れでその後の消息は不明となりましたが、おそらく西日本のブッポウソウと同じボルネオに向かったのではないかと思います。
これまで、はっきりしたことが判らなかった越冬先が、多少明らかになり大変嬉しく思いました。
山階鳥類研究所には、今後も引き続き、天龍村のブッポウソウの調査研究を続けていただきたいと思っております。


<ロガーが装着されていたブッポウソウ>


<ロガーの解析をしている山階鳥類研究所仲村研究員>